2023年8月9日、キャンナス出雲の発会式が行われました。キャンナス165番目の拠点となります。代表の狩野京子さん(前列左から2人め)は、病院を定年し、看取り士の資格をとり、かねて関心のあったた納棺師として開業。看護師の資格をいかし、葬儀の時だけでなく、お看取りからグリーフケアまで長くかかわることができるのが特徴ということです。キャンナスは県立病院を定年退職した5人の仲間と立ち上げました。同じ島根県のキャンナスの先輩、キャンナス益田の青木さんと、故郷が島根のキャンナス相模原北の山口さんが応援に駆けつけてくれました。青木さんの差し入れは、特技のレザークラフトの技を活かした名入りのすいか! 最後はみんなでおいしくいただいたそうです。
※狩野さんが代表を努める参加型納棺「さくらびと」
気兼ねなく利用してほしいから、有償ボランティアに挑戦
1.自己紹介
「キャンナス出雲」代表の狩野京子(かのうきょうこ)です。職業は、看護師、納棺師、看取り士です。私は、2018年に急性期病院を定年退職し、その後3年間大学で看護基礎教育に従事しました。2021年9月参加型納棺「さくらびと」を開業し、2023年9月よりキャンナス出雲」をスタートします。「キャンナス出雲」の所在地は、島根県出雲市斐川町名島406番地です。出雲縁結び空港から車で15分、出雲大社から車で15分の場所になります。
2.キャンナス立ち上げの動機
納棺師の仕事がきっかけで、あるひとりの女性に出会いました。彼女曰はく「夫が闘病中で先日余命宣告されました。もう一度家に帰らせてやりたい、本人も帰りたいと言っています。でも自分ひとりの力ではどうにもならないのです。」と、私はケアマネさんに相談しましたかと問いました。
「ケアマネさんとは意見が合わなくてそういう話はしていません。」とのことでした。「私達納棺師は、看護師なのでお手伝いできますよ。ボランティアで。」と伝えると、彼女は大変喜ばれました。病院への外泊願いは、彼女の役割であることを伝えると直ぐに連絡をとられました。結果、病院からの許可内容は、1時間だけの外出許可でした。それでも彼女は喜び3日後に決行しました。
我々二人と彼女の三人で病院に迎えに行き、寝台車で自宅に戻られました。自宅ではお孫さん3人が待っていました。今日は2時間目から登校するとのことで、おじいちゃんと一緒の時間を大切に思っているのがよくわかりました。みんなでお茶を飲み、お菓子を食べて、大好きなカラオケも歌って1時間があっという間に過ぎました。
「今度は、ここでカラオケ大会をしますので来てくださいね。」とご本人からご招待がありましたが、結局、その1週間後に亡くなられました。彼女からお礼の電話をもらったのですが、ボランティアで助けてもらったことを非常に気にしておられました。相手方の気遣いを考えると、完全に無料ではなく、利用料をいくらかいただくという方法はないものかと考えました。その時キャンナスの存在を知りました。これだ!! と思い、すぐに県内で活動しておられるキャナス益田の青木佐恵美さんにお会いし、その後、菅原代表にお会いしこの度の開所の運びとなりました。
3.これからしていきたいこと
地域では、利用者さんの立場にたった支援が重要だと思っています。サービス提供者間の情報交換を密にし、きめ細やかなサービス提供を望むところです。幸い、出雲市市役所健康福祉部医療介護連携課の方々にはご理解をいただき、地域のネットワーク“チームルビナス”にも加えていただき、定例研修会にも参加しています。最近では、公的サービスだけではなく私費払いの有償ボランティア提供者が増え、料金も様々になっています。我々キャンナスは、看護師免許を活かした身体援助を中心にサービスを提供したいと考えています。
家事支援など他の業者に依頼できる内容は積極的に紹介したいと思います。また、在宅介護をしているみなさんを対象に少人数の講習会を企画したいと思います。早速、9月23日(土・祝)には、「美味しい介護食の作り方を学ぼう」講習会を開催します。どうぞご参加ください。
また、災害ボランティア活動にも参加していきたいと考えます。長期間の滞在は難しいのですが1週間以内のところで活動したいと思います。現在スタートメンバーは5名ですが、賛同して参加してくれるメンバーを歓迎いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
キャンナス出雲代表 狩野京子(かのうきょうこ)