代表の一島さんは、市内の病院で新生児・小児看護に携わってきた中で、ご家族のレスパイトの必要性を感じていたそうで、それが発会のきっかけとなりました。花の谷クリニックの伊藤真美先生も駆けつけて、講演し、エールを送りました。行政の方、社会福祉協議会の方、病院の方、NPOの方、介護事業所の方、障害者事業所の方など50人近くのが集まり、賑やかな発会式になりました。キャンナス162番目。
医療的ケア児の笑顔とご家族のためにできることをしたかった
立ち上げのきっかけ
これまで、病院の中で新生児・小児看護に携わってきました。鴨川市内には医療的ケアや特別な見守りが必要なお子さんが利用できる宿泊型のレスパイト施設が殆どありません。昨年から地域で働くようになり、限られた社会資源の中で奮闘するご家族の姿を目の当たりにしました。
療育施設はありませんが、一方で、日中にお子さんの受け入れをされている介護施設等が市内にあることも知りました。ただ、医療的ケアが必要であるとどうしても対応を制限せざるを得ないこともあるようです。例えば、栄養チューブ等の応急処置が必要になるとレスパイト中でもご家族が施設に出向き対応します。
ご家族の手の代わりとなる人がお子さんにつく形で福祉サービスの利用ができれば、ご本人、ご家族のニーズに更に見合ったレスパイトケアが受けられるのではないか、と考えました。「市民の任意団体なら自由な活動ができる」(いけいけ!ボランティアナース、p.124)。少しずつでも自分にできることをしたいと思い、キャンナス立ち上げを決めました。
今後、目指したいこと
活動のきっかけは小児のレスパイトケアですが、小児だけ、と限定するのではなく、世帯の困りに応えられるような活動を目指しています。医療的ケアにも対応したレスパイトケア、外出・通院支援や傾聴ボランティアなど、ご本人とご家族のご意向を聴きとりながら、無理せず段階的に進めていきたいです。
そして、その中で特に重きを置きたい活動として、医療的ケアや特別な見守りが必要なお子さんの育児・療育支援を考えています。「お子さんが、大好きな人達と笑顔になる」瞬間をイメージしながら、そのために必要な通園・通学支援やご兄弟の行事の際のレスパイトケアなど、ご家族、ご本人、と一緒に考え、必要に応じて、保育所、学校、行政等支援に関わる方達に相談をさせていただきながら、できることから着実に日々の生活に必要なお手伝いに繋げたいと思っています。
そして、そのお手伝いを一緒にやってみたい!という仲間を少しずつ、増やしていけるよう細く長く活動を続けていきたいです。(キャンナス鴨川代表 一島 栄美子)