ぐるんとびー代表の菅原健介さんのfacebookの2月26日の投稿よりご紹介します。
【2月26日発売:AERA2024.3.4号・能登半島地震特集】
“2次避難先が見つからない”
実際、キャンナス災害支援チーム統括コーディネーターで看護師の石川和子は、2次避難先が見つからない認知症のご夫妻を輪島→下関の精神病院まで昨日、新幹線を乗り継ぎながら送っていってます。
キャンナス災害支援チームだけではなく、能登で活動する医療団体、ボランティア団体、社会福祉法人など多角的に取材された濃厚記事。
ぜひ手に取ってみてください。
佛子園の雄谷さんの話は濃厚すぎて別立てになりそうとのこと。
以下、ライターの古川さんの感想をシェア
✳︎記事は書店やお近くの朝日新聞で購入できます
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私が輪島市をはじめ石川県・能登半島地震の被災地を訪れたのは2月上旬。いまも大勢の人の避難生活が続いています。
被災地支援の場数を踏んでいるケアの前線の人たちは、能登の現場は「異色」な点が多かったと。そんな証言を複数耳にしました。今回は何より、大規模な広域避難を行った初めての震災。高齢化率が高い地域だけに要介護者が多く、2次避難も難航。「つなぐケア」のところには混乱も見られました。地理的条件などさまざまな難しさを抱えていた奥能登では、入ることができたケア職のリソースも限られていました。
そんななかで、民間の団体が結集した「福祉避難所」の人たちが、地震発災直後から奮闘。今回はそこで活動する人たちと被災者の交流をルポしています。
福祉避難所は高齢者をはじめ、配慮の必要な人たちを支える場所です。発災直後から開けていたのがウミュードゥソラ。ケアを必要とする人が怒涛のように運ばれてきた急性期の野戦病院のような状況もあったそうです。チームの軸になってきたのが、地元の看護師、中村 悦子さん。直後に駆けつけた医師が、紅谷 浩之さん。そして、紅谷医師とともにこの避難所の立ち上げ・運営を担ってきたのが菅原 健介さん(菅原さんは前回のAERA現代の肖像でもお世話になりました!)です。この避難所に介護・福祉職を継続して送るべく、4県にまたがる7団体が即座に結集して大団結。どんどんフェーズが変わっていく中で、現地でその様子を垣間見ることができ、貴重な機会でした。
今は他県への2次避難も含めて、広域につなぐケアも同時に展開(これは、そもそも本来は2次避難所である福祉避難所の役割としては、ある意味新しい)。急場をどうしのぐかと、生活をどう支えるか。そして、次の避難場所へどうつなぐか。時には相反する価値観に引き裂かれるような時間もあったようです。
支え手たちのあふれるような熱量に頭が下がりました。
今回、お話を伺ったのは震災現場での支援経験が豊富な人たち。能登の震災ならではの課題を記録すると同時に、「次なる震災にどう備えるか?」。その視点こそが大事だという気づきを得ました。
高齢縮小社会・日本でどんなケア体制を組むのが大事なのかーー。
建設的な目で、今後も検証を続けていきたいと思っています!
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【NPO法人キャンナス】大雨洪水被害による能登支援 ご寄付のお願い 過去の支援概要(1〜3月の活動) 能登半島地震で避難所に派遣された看護師・ケア職による支援を行いました。 延べ約1762人の医療スタッフとボランティアが活動し、 輪島市...追記です。
二次避難先、行政は用意してくれてるんです。
今回の災害で要介護者の二次避難はむちゃくちゃ早かったし成功してるように見えました。
ただ、ご家族や本人が認知症、精神疾患、こだわりが強いなど、既存のレールに乗れない人たちが一定層います。そこの支援体制が弱いのが課題。
避難所にソーシャルワーカーおいて傾聴したり、二次避難の案内をアナウンスすれば二次避難するような人たちじゃない。
傾聴して、ともに居ることで安心感につなげ、その期間を一定過ごした上で家族とも調整する。
あるいは、家族のこだわりや精神的不安があり、二次避難先がどうなってるのか・誰がそこでケアするのか伝わらないと、二次避難を認めない家族もいます。
そうした部分を担っています。
二次避難を推奨してる中、
見え方によっては、輪島市内に手厚い福祉避難所があるから、二次避難しないと感じられているな〜と思うことも多々あります。
やっていて板挟みな感じです。
二次避難に出したくても、出せないんです。
福祉避難所ですでに片手で収まらない数の看取りがあったのも初めての経験です。
輪島市福祉避難所ウミュードソラ
の介護度は以下になります。
ウミソラ介護度
✳︎介護保険上、自立の人は全員要支援1に入れています
要支援1:6
要支援2:3
要介護1:5
要介護2:7
要介護3:3
要介護4:2
要介護5:6これをボランティアだけや、
既存の“福祉避難所”=一般の人たちもいる避難所と同じ費用(10対1ケア)の費用でみるのは限界を感じてます。
看護小規模多機能でこの人たちをみていたら、
月額1000万円の介護報酬と宿泊費が支払われます。
僕らキャンナス災害支援チーム(オレンジ、キャンナス 、ぐるんとびー)でご寄付いただいた総額でも
1500万程度。
ほぼ通常のケアでもらえる費用の半額ですし、
オレンジは医師の継続派遣や福井で別の福祉避難所を
やっていたり、僕らもそこに人を派遣してるので、
実際、コーディネートスタッフの人件費すら払えない。
当初は“思い”で動いたので、費用はいらなくても、
今は輪島市からの正式な依頼もあって動いています。
すでに3カ月目に突入しますが現場が疲弊しております。
そんな実情をしっていただけたらと。
輪島市とも医療看護強化型の福祉避難所の費用については今後話し合っていきたいと思います。