キャンナス上越柿崎(よね山改め)が発会しました

 キャンナス上越柿崎」の発会式が4月23日に行われました。代表の杉田みゆきさんは看護師歴34年のベテラン。高齢化率が40%を超える地元を「ハートのある街にしたい」と話しました。杉田さんは、医療だけでは生活を支えられないと、社会福祉士、精神保健福祉士などの資格を取得。今回、「office あゆむ」として、福祉的な個別相談や権利擁護にもトータルに取り組んでいくそうです。「米山から見える町の人々の暮らしを話そう!」という呼びかけに、会場となった民家には介護福祉士や看護師、困りごと支援を行う「ズバッと!解決上越」の代表者らが集まり、それぞれ「自分ができることもあれば」と協力を約束し合う姿がありました。
 当初は越後富士の別称もある地元の名峰「よね山」と名付ける予定でしたが、地名を名称に使うのがルールという菅原代表の指摘で、「キャンナス上越柿崎」としてスタートすることになりました。

過疎地域の人々に折りたたみ傘をさしかける存在になりたい

私は、若い頃は、南新宿にあった榊原記念病院で看護師をしていました。当時、心臓の手術をしては、退院時に一人で帰って行く患者さんの姿に力強さを感じました。またホームレスの方は、治療を終えるとまた、わずかな荷物を抱え元の生活に戻っていくこともありました。

当時は、身寄りなし、一人暮らしの方の病院から戻ったあとの生活には目が向きませんでした。新潟に嫁ぎ、地域の病院で働くようになり、高齢者が畑で作業をしていて倒れた、連れ合いをなくし家族がいても心が晴れずに自死、重症になるまで受診に行かないなど、救命できなかった症例が多くありました。

  その当時から福祉と医療と介護がバランスよく提供されることが大切だと思い、病院勤務をしながら、社会福祉士、精神保健福祉士を取得し、成年後見人養成講座を終えました。病院看護師が勤務しながら、後見人をすること病院から認めてもらうのに6年もかかりました。今でも、看護師の中には、看護師は、病院の中の仕事だけに全力を尽くすべきであるという考えの人もいます。

診察時に、自分の状態を緊張し上手く話せない、家での状態を伝えられない自分の健康には関心があるが一人暮らしだからあきらめる。処方薬を何年も同じ処方で飲み続けているために、体調不良になっていることもあります。多くの支援者は、日中のその人の状態で、その人が元気であると判断しがちです。私は、早朝や就寝時にあえて訪問をします。夜間は、生活の中で随分長いです。一人暮らしの夜間や早朝の不安定さに目を向けることも大切です。

私の地域は、高齢化率42~43%の地域を抱えています。在郷地区の一人暮らしを支えてきた民生委員や地域の人々も高齢者です。準夜帯の見守り、健康チェック、緊急時の通院同行、買い物支援などを行いたいと思います。患者さんの事で、不動であるとわかっていながら、一人で行政に訴えたこともあり、病院内では、常に自分が孤独であると感じていました。

  しかし、その方の思いに寄り添っていない支援ならば、何とかしなくてはなりません。「キャンナスは、一人でも大丈夫。みんなが支えるから」との言葉をかけて頂き、小さな町で、私のしたい看護を頑張る気持ちが湧きました。私の気持ちに素直に向き合うことが、一番大切なことだと気がつきました。

  私は、折りたたみ傘のような存在になりたいと最近は、考えます。雨の日に一人歩いていると、折りたたみ傘を持っている人が駆け寄って来て背中や、腕は、濡れてしまうのですが、傘がない時よりは、濡れずにすみます。次から、その人は、この日のことを思い出し、次の雨には、もっと濡れないように対策をとることでしょう。キャンナスがその方の生き方の雨除けになればと思います。

                             キャンナス上越柿崎代表 杉田みゆき

発会式当日の記事が地元メディアで掲載されました  

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